2012年1月8日日曜日

日本の教育との違い1.高校の担う役割が違う


今回から、数回日本とフィンランドの教育の違いについて書いてみたいと思う、
あくまで私が経験してきた日本とフィンランドの教育についてであることを先に書かせていただく。


1.高校の担う役割が違う
フィンランドの高校では、単位制で生徒は自ら考えて授業を選択する。


授業時間以外は、学校にいなくてよい。
ホームルーム単位で活動をするということは、ほとんどない。


日本のホームルームクラスにあたるものは、グループと呼ばれ、入学年度ごとに、アルファベット順で27名程ずつ分けている。このグループには担当に先生がついているが、このグループ単位で生徒が定期的に集まるのは、成績表が配られる日のみで、学期に1回だけである。
(学校により違う。とある学校では毎週木曜日の昼休みに集まる。この学校による違いの大きさについては、また次回。)その他に、入学時や進路についてのオリエンテーションなどは、このグループで活動することとなる。


毎朝のホームルームの代わりに、2限目の開始時に全校放送があり、生徒への情報提供と担当の先生の講話が合わせて10分程行われる。


部活動もなく、5限目の授業が終わって、10分後に学校内には生徒の姿はほとんど無い。


フィンランドの高校進学率は50%程度と言われている。それ以外の生徒は日本の高専のようなところに進む、フィンランドの高校は生徒にとって、義務教育よりも発展的な勉強をするところであり、生徒は自らの勉強する姿勢に自立を求められている。


日本での大学が、フィンランドの高校に当たるような感じた。自立を求め、自己責任を徹底し、学習へのモチベーションを高めるという効果を発揮している。


当然、助けが必要な時には、しっかりとフォローする体制も出来ている。
学習管理のためのwebサイトがあり、生徒と保護者はそこで教員と連絡をやり取りすることが出来る。全先生の電話番号とメールアドレスは公開されており、意見や相談があれば、直接校長と話をすることも可能である。単位の取得や進路については、必要に応じてスタディカウンセラーに相談することが出来る。

フィンランドでは、18歳で生徒は日本で言う成人に認められる。そうすると、授業を欠席した時も自分のサインのみで良くなる。自分の活動への責任をすべて自分で負うこととなる。そのおかげで、バーで高校生にあったりもするのだが(笑)

このようなところを見ていても、日本人が子どもっぽいとこちらの人から感じられることの理由がわかるかもしれない。確かに文化が違う。日本人は常に周りを気にして、自分の意見を表に出さないし、人と違うことをやりたがらない傾向にある。
でも、子どもっぽいと言われることのメリットはない。海外の舞台に立つとナメられるだけだ。サービスの分野について、日本人のこの性質はメリットがあるとは思っているが、対等に何かをしていこうとするときは、プラスに働いているとは思えない。

そして、フィンランドではこのように早いうちから人生に責任を与えることが出来るのは、失敗しても後でフォローできる社会があるからでもある。大学にいつ入るものいいし、高校を後から始め直すことも出来る。中学校でもう一年学ぶことも出来るのだ。
失敗することを恐れない、自分に正直に自分の人生を生きる人が育つ環境なのかもしれない。
(当然、反面甘さを生むこともある。でも、こっちの人はその甘さをあまり気にしない。すべて個人の人生なのだ。)

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