フィンランドでは日本のセンター試験のような試験が行われています。
英訳すると、matriculation examでしょうか。
教科は、
フィンランド語
スウェーデン語
外国語(英語、フランス語、ドイツ語など)
基礎教科1(心理学、哲学、歴史、物理、生物)
基礎教科2(宗教、社会学、化学、地学、保健)
です。
この中から、フィンランド語は必修で、他に最低3つを選択して受けなければなりません。
このテストが高校の卒業要件です。
さらに、このテストと各大学試験で大学に入ることができます。
毎年春(3月)と秋(9月)の2回行われます。
今の学校の生徒の70%は3年の秋と、春の2回に教科を分けて、受けるようです。
中には1回で4教科受ける生徒もいますし、4年いる生徒は3回受けるのが一般的なようです。
2期に分けて、5~7教科受けるのが、うちの高校では一般的なようです。
テストは同じ時間に自らの高校で行われます。
うちの高校は体育館に机を並べて、行なっています。
テストは1日1教科です。
言語のリスニングのみライティング、リーディングよりも先に他の日に単独で行われます。
試験時間は1教科最低3時間、その後は最長で6時間です。
みっちりと文章で答える問題が多いです。
まず自分の高校の先生によって採点され、ヘルシンキに送られ、もう一度採点されるようです。
結果は、得点分布によって、7段階で付けられます。(I,A,B,C,M,E,L)
落第であるIをとったり、成績が思ったより良い場合は、次回以降決められた期間内に、
テストを受け直すことが出来るようです。
卒業要件については、他の教科の成績でカバーできる仕組みもあります。
何より驚いたのは、長い試験ですので、生徒はすべてのパッケージに書かれた文字を外して、
ドリンクや食べ物を持ち込んで、いつ食べても構いません。
さらに、うちの学校ではサンドイッチと、りんご、クッキーを試験前に自由にとっていってよいという
仕組みになっていました。
試験中に、温かいコーヒーか紅茶を希望者に配ることすらありました。
ここからは、感じたことを書きます。
生徒はじっくりと考える時間、自分の答えを書く時間を与えられ、勉強してきたことがそのまま発揮できる。
そんな仕組みに感じました。
このテストが高校でのゴールだからこそ、日本のような詰め込み暗記の学習よりも、
幅の広い授業が展開できるのだと思います。
やはり、学校で行われる授業はどうしてもゴールを意識してしまします。
日本の就職のあり方や、大学入試センター試験のあり方が、今のままである以上、
どんなに学校が教育内容を変えようとしても、限界があるのかもしれません。
どうしても、ゴールに即した教育内容にするしかないからです。
指導要領の改訂といって、コンテンツを変えても、ゴールが変わらないと何も変わりません。
しかし、ゴールさえ変えてしまえば、他のものはそれにあわせて変わらざるを得なくなります。
今一度、今のゴール(新卒一括採用や大学入試、その他入試)が正しいのか、
目指す生徒像に即しているのかを考える必要があると思います。
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