2018年1月3日水曜日

一人一台の情報端末による教育

1 人1台の情報端末を生徒が持つことによる影響について、
以下の3つの道具(ツール)としての考え方をまとめます。

1. 一人ひとりの学びに寄り添う道具

 1 人1台の情報端末は、スキナーなどの実証主義的な教育の手助けになる。
実証主義的な教育とは、学習内容は系統的に構成されており、適切に計画された教案に沿って知識が効率的に伝達され、学習者は与えられた順番通りに課題をこなしていくことで、効果的な学習ができるという理論である。
 この理論に基づいた授業でおちいる可能性のある、教員が延々と説明するばかりで、個別の理解やつまずきに対して十分な助けのない授業の状態から、学習者一人ひとりの理解に応じた課題提示と、即座のフィードバックをすることによって学習を強化することができる。
 すでに、1 人 1 台の端末を活用したオンラインでの通信教育教材がすでに多く市販されている。また、学習履歴のデータを活用して学習者に合わせた教材を提供するアダプティブ・ラーニングも始まっている。

具体的な方法

 ①一人ひとりに適した教材や課題の配信
 ②一人ひとりの定着度の確認
 ③一人ひとりの課題の提出状況の確認

2.思考を深め、表現の幅を広げる道具

 ピアジェ・ヴィゴツキー・デューイの構成主義的な教育の手助けになる。
構成主義的な教育とは、学習者自身が、今までの知識を基にして、他者(教師を含む)や出版物など色々な媒介を通じて、主体的に学習内容を理解しようとしていくことで、効果的な学習ができるという理論である。
 この理論に基づいた授業の中では、一人一台の端末により教員からの情報や与えられた教材のみから学習する今までの状態から、学習者一人ひとりがインターネットなどで自らの活用したい情報を探すことによって、学習を強化することができる。
 また、学習者が集めた情報を編集して、表現するためにも1人 1 台の端末は大きな手助けになる。授業中にも、1 人 1 台の端末により、他の学習者の意見を瞬時に参考にすることができ、学習者に新たな気づきを促すことができる。

具体的な方法

 ①一人ひとりがインターネットを使った探究的な学習
 ②一人ひとりが表現をする活動
 ③一人ひとりが、他社の意見を参考にする活動

3.情報伝達・共有の道具

 学校には事務的な連絡が多くある。その上、生徒たちは学級、学年、授業、部活動、委員会活動、有志の活動などと様々なグループに所属している。必要な生徒たちに、必要な情報を伝えるために学校では校内掲示板、学級会での伝達、校内放送、配布物などの様々な手段が使われてきた。リーダーの育成など教育的な効果がある活動もあれば、
単なる事務連絡として済ませてよい活動もある。
 1 人 1 台の端末の活用により、学校での所属グループごとに集めて情報を伝達していた状態から、時間を選ばず 1 人 1 台の端末を持った生徒に対して、文章にて情報を伝達することができる。
(※深夜は除くなど、常識的な時間に限るが。)
また、言語だけでは伝わりづらい情報を、文章・写真や図なども活用し視覚的に伝達することができる。

具体的な方法

 ①一人ひとりへのメールなどでの連絡
 ②学内掲示板での情報の共有




参考
「一人一台端末時代」のメディアと教育 稲垣忠著
  https://www.nhk.or.jp/bunken/book/media/pdf/2015_22.pdf
構造主義が投げかける新しい教育 久保田賢一著
  http://www.res.kutc.kansai-u.ac.jp/~kubota/write/CIEC03ver4.pdf
こどもの発達を促す e-learning の活用法 ベネッセ教育総合研究所
  http://berd.benesse.jp/assessment/topics/index2.php?id=4832

2015年10月11日日曜日

Google classroomの使い方

Google classroomを使い始めました。

まだまだ発展途上のシステムであり、なかなか解説が載っていないので作ってみました。

導入を検討されている先生のお役に立てれば幸いです。

1.クラスの作成

 Apps for educationのアカウントで、classrommを選択すると、

 以下の画面の➕からクラスを作成できます。

 授業をするクラスごとに作成することになります。



2. 生徒の登録

  作ったクラスに生徒を登録します。以下の2通りの方法があります。

  ①メールを送り招待する方法。生徒のGmailをこちらがすべて知っておく必要が

   あります。自分が入っているグループにはグループにメールを一斉送信することが
   
   できます。
  
  ②クラスコードから登録する方法。生徒の端末でGoogle classroomにログイン

   して、クラスコードを入力します。生徒のメールをいちいち選択するテマは

   ないですが、作業の指示は増えます。


3. classroomのメインの画面がストリームです。

  右下の➕から、お知らせや課題を投稿することができます。

  同じ授業を数クラスでやっている場合は、複数のclassroomを作ることになりますが、
  お知らせや課題は複数クラスに同時に投稿することが可能です。



4. 課題の投稿

  生徒に対して、課題をclassroomで作成しましょう。

  課題は、提出期限を決めて、投稿できます。

  添付ファイルなども一緒につけることが可能です。

5. 課題の回収

  出した課題は、回収することができます。生徒が提出すると完了の数に加わります。

  生徒は課題を提出すると、そのドキュメントを編集できなくなります。
  

6. 課題の回収画面・返却
  
  課題に対して、以下のような画面で回収で、評価をすることができます。
  
  生徒を選んで、課題を表示します。そして評価を100点満点などで返すことができます。

そして、返却を押すことで、生徒のメールに課題がチェックされたことが通知されます。

右下より個別にコメントをつけることも可能です。



  

2014年10月22日水曜日

Microsoft Surface Pro3 を学校で使ってみる。

Microsoft Surface Pro3が学校でどれだけ使えるのかを、ブログにしてみました。

まだまだ、作成中ですが、良ければ参考にしてみて下さい。

Microsoft Surface Pro3は、タブレットとノートパソコンの中間のような存在です。

iPadでは出来なかったことが、出来るようになる反面、

iPadの方が優れているなと感じることもあります。

http://surfaceschool.blogspot.sg/


2014年8月9日土曜日

シンガポールの誓い

シンガポールの国民の誓約があまりにかっこよかったのでここで紹介。

National dayの中で、全員が起立してこれを宣誓するところでは、

国を作っていこうという気が大きく伝わってきて、ゾクゾクしました。

引用してきたものを訳してみました。

引用元 
http://app.singapore.sg/about-singapore/national-symbols/national-pledge


The Singapore Pledge

We, the citizens of Singapore,
pledge ourselves as one united people,
regardless of race, language or religion,
to build a democratic society
based on justice and equality
so as to achieve happiness, prosperity and
progress for our nation.

【私なりの訳】

「シンガポールの誓い」
私たちシンガポール国民は、
人種、言語、宗教に関わらず、
一つの団結した人として
私たちの国を幸福にし、繁栄させ、そして発展させるために
正義と平等に基づいた民主的な社会を築くことを誓います。


これをみんなが握りこぶしを作った右手を、左胸に当てながら

宣誓するのだから、すごい迫力である。

人口500万人、そして東京23区ほどの国土しかない国を

どうやって世界で育てていくのか。

シンガポールの挑戦はまだ続いている気がしました。


2014年5月10日土曜日

ネットで大学公開講座を受講するJmooc(gacco)

日本版mooc(Massive Open Online Course)が始まったそうです。

このサイトは、gaccoと呼ばれています。

大学教授陣による本格的な講義を、誰でも無料で受けられるウェブサービスです。



メールアドレスされあれば、中学生でも受講することが出来ます。

流れとしては、10分程度講義動画をみて、クイズで理解度を確認し、掲示板で他の受講者とディスカッションしたり、レポート課題を受講生同士で採点し合うそうです。

そして、所定の基準を満たすと講師から修了証(電子ファイル形式)が授与されます。

これからもどこでも、だれでも、無料で学べるという流れは止められないでしょう。

なぜなら、それが人類にとって正しくないと説明する理由がないからです。

それにより仕事を失う教師、生徒を集められなくなる学校が増えるでしょう。

しかし、次の社会を作る子どもたちにとってはステップアップの学習が自ら出来てしまうという

ものすごいメリットがあります。

教員として自らの役割をもう一度確認して、子どもたちの伸びる可能性を潰すことがないようにしたいです。



2014年5月3日土曜日

反転授業 中学数学を英語で学ぶ

自分自身の英語の勉強を兼ねて、中学数学を英語で学んでみました。

参考にしたのは、Khan academyです。

突然だとやりづらいので、中学の代数のところへのリンクをまとめてみました。

反転授業の予習用としても使えるかもしれません。

よければ参考にして下さい。

中学生の数学 in khan academy

2014年1月5日日曜日

安藤美冬さん紹介の「嫌われる勇気」を読んで。

安藤美冬さんがTwitterで紹介されていたので、購入して見た本の紹介です。

「嫌われる勇気―――自己啓発の源流 アドラーの教え」岸見 一郎 (著), 古賀 史健 (著)

フロイト、ユングと並ぶ心理学界の三大巨匠とされるアルフレッド・アドラー。

その心理学を分かりやすく説明したのがこの本です。

その中から、1つのメッセージと、1つの教育の中で興味深い考え方をご紹介します。


1つ目は、自分の望む自由な生き方について。

本当に自由な生き方をしたいのであれば、

誰からも認めらるれように(嫌われないように)生きるのではなく、

誰かに嫌われることを怖れずに自分の方針で生きなければいけないということ。

自らの生について、自分でできるのは「自分の信じる最善の道を選ぶこと」



そして、その過程で書かれていた教育についての考え方。

賞罰教育とは、適切な行動をとったら、褒めてもらえる。不適切な行動をとったら、罰せられるという、相手を評価するものです。

アドラーはこうした賞罰による教育を厳しく批判しました。

賞罰教育の先に生まれるのは、
「褒めてくれる人がいなければ、適切な行動をしない」
「罰する人がいなければ、不適切な行動もとる」という、誤ったライフスタイルです。

褒めるという行為の目的は「自分よりも能力の劣る相手を操作すること」だからです。

評価のその代わりに、「ありがとう」と感謝の言葉を伝えることです。

人は感謝の言葉を聞いたとき、自らが他者に貢献できたことを知ります。
「私は他者に貢献できている」と思えること。
そこで初めて、われわれは自らの価値を実感することが出来るのです。
この自らに価値があると思えた時にだけ、人は勇気をもち前に進んでいけます。



という、褒め上手の人に対して、若干の疑問を投げかけるものでした。

ゲームのように、何かしたらすぐに成果が見えるということばかりが世の中にあるから、

教育も褒めることが特別に重視されているのかもしれませんね。

でも、それにも方法があるようです。


2014年1月2日木曜日

世の中の出来っこないという空気を変えていく〜堀江貴文著「ゼロ」より〜

正月休みの中で、色々な本を読んだ。

ちなみに最近、本を読むのに楽天のkoboのアプリを使っている。

メールで20%オフのクーポンが届いたり、半額の本が多いからだ。

20%オフのクーポンが突然10枚届いたりする。

楽天の戦略に乗っているなぁと思いつつ、使う!


一番印象に残ったのは、堀江貴文著「ゼロ」だ。

あのホリエモンの本である。

Twitterで堀江さんの発言には気付かされるものが多く、

どんな人なのかより知りたくて、今回の本を手にとって見た。

本当にいい本だった。

私が生徒たちに伝えていることにしっかりと一致している。

この本を通して語られるのは、自らの前に広がる可能性だと思う。

生徒たちに読んでほしい。


堀江さんから受け取ったメッセージは、

「人はメシを食うために働くのではない、働くことは生きること。
 僕らは、自らの生を充実させるために働くのだ。」

「自信は経験から生まれる。自らが小さな勇気を振り絞り一歩前に踏み出すこと。
 この歩数が経験となる。」

「好きという感情の前には、没頭がある。仕事や勉強に没頭するためには、
 自分で今日やることのをルールとして決めて、このことだけ考える。」

「でっきこないの蓋を外せば、やりたいことは溢れてくる。
 出来る理由から考えること。」
 

そして、私のやりたい事「イキイキした人を社会に増やす」というミッションに近いと思ったのが、

「世の中の出きっこないという空気を変えていくことがリーダーの役割である。」

ということだ。


大人も子供の出きっこないから話す人、自分に蓋をしている人が多い。

私だってたまにそうなる。

そこに反省しつつも、もっともっとこの心にみんなに気づいてほしいと思ってる。


2013年9月16日月曜日

反転授業(The Flipped Classroom)

反転授業という授業形態が気になっている。

反転授業とは、英語ではThe Flipped Classroomと呼ばれている。

今までの授業は、「教室で授業を受けて知識を得る→宿題などで、家で復習して知識を定着」という順で進む一斉授業だった。

反転授業は、「授業前に家で動画による講義を受け、知識を得る→得た知識をもとに授業で議論をする、発展的な課題に取り組む」と順序を逆にして作る。


今の時代、インターネット上で講義はいくらでも受けることが出来る。

世界的に有名なKhan Academyや iTunes Uなど、小中高の内容から、大学の内容までの

講義をインターネットで格安(ほぼ無料)で受けることが出来る。

ただ知識を得るだけならば、わざわざ学校に行かなくても、自ら学ぶ気があれば、

自分の好きな場所で、好きな時間にいくらでも学ぶことが出来る。

こんな時代に、今生徒たちがわざわざ学校で授業を受ける意味はなんだろうか。

教員は、videoを見るよりも効果がある授業をしなければならない。

そうしないとその人の授業に価値はない。


反転授業は、その教員のライバルであるvideoを逆に利用しているところが面白い。

授業が、得た知識を活かす場を提供することとなる。

例えば、小中高の授業がまとまったサイトも出てきている。

「eboardいーぼーど」は具体的に授業で使っていくことが出来るサイトである。



色々な授業を行おうとしている先生方が、日本にも世界にもたくさんいる。

私ももっともっと学んでいかないと。

現在、教育実習生を指導させていただいているが、彼に言っているのも、

「video以上の価値を提供するために、試行錯誤しなさい」、

「常に学び続けなさい」ということだ。

自戒の意味を込めている。

2013年8月1日木曜日

5歳までの教育が大きな影響をする!?

そろそろ周りの友人に子供が出来始めました。
そんな友人たちも必見の記事だと思います。

中学校で子どもたちを見ていても、
それまでに受けてきた教育の影響を大きく感じております。

子供のうちに本を読む環境を作ること、
そして、ただ遊ぶだけではなく、
自身も学びながらしっかりと子どもと会話して関わってあげること。

それに加えて、周りに色々な種類の大人がいること。

などが大切なのかもしれません。

(以下記事より抜粋です)
東大に合格できる子とそうでない子の差は何か?  1ついえるのは、「優秀な子の親には共通したものがある」ということ。それは、親の多くが本好きだ、ということです。家庭で楽しそうに本を読んでいる姿を見て育ってきた子は、高い確率で本好きになり、それが東大合格につながるのです。
本を読まない子、あるいは読めない子は、知識や想像力、構成力、読解力などで決定的な差をつけられることになります。

2013年7月30日火曜日

中学校の卒業論文と大学の同窓生の結婚式

今、私が勤めている学校では中学3年生で卒業論文というのを書きます。

テーマは「自分の夢・興味のあることについて」です。

生徒たちは、将来なりたいと思っている仕事や、

現在興味のあること(スポーツや趣味など)について原稿用紙50枚にまとめます。

その中では、本やインターネットから情報を収集するのではなく、

実際に現場に足を運んだり、人にインタビューしたりして取材することを課しています。

この夏休みは、雑誌の編集部や、自動車工場、知り合いの医師、保護者の職場など、

生徒たちは色々な場所に取材に行っています。

私は担任なので、どんなところに行くのかという相談に乗って、

情報を一緒に調べたりしています。

生徒たちの興味は素晴らしくて、行ってみたいところが幾つか出てきて、

どうやって行くのかを一緒に考えます。

この時間の楽しさ。これはこの立場でしか味わえないのではないでしょうか。



そんな事をしてる最中、大学の同級生の結婚式の2次会に呼ばれました。

そこには大学の同窓生が多くいるわけです。

私は、久しぶりの友人たちに、今何やってるの?と聞いて回りました。

業界は違えど、一般企業に就職している人が圧倒的に多いです。

生徒たちが調べている業界で働いている人は、ごく少数でした。


きっと、同窓生たちも多くの夢を持っていたのでしょう。

それを諦めたのかどうかはわかりませんが、生活のために夢とは違う職につくわけです。

そして、家族なんて持とうものならば、その職でなんとか頑張っていくわけです。

みんな、それぞれにそれを幸せと考えて、日々を過ごしているわけです。



これがこの社会で起こっている現実なのでしょう。

この現実をもっと早くに子どもたちに分からせたほうがいいのか、

大人たちにもっとやりたい夢を追わせたほうがいいのか、

何が正しいのかは分かりません。

でも、まず私自身は自分の本当にやりたい事で輝いていたいなと改めて感じました。

働くことが楽しく、それでイキイキとしていたいなと思っています。

この価値観を人に押し付けるのは違うのかもしれません。

でも、これから社会に出て行く子どもたちには、こんな価値観もあるぞと

声を大にして伝えて行きたいと思います。

選ぶのは彼らですが、教育するのは私達です。


2013年7月28日日曜日

フィンランドと日本の夏休みの過ごし方

夏休み、みなさんはいかが過ごしているでしょうか。

フィンランドの何もない夏休みに比べて日本の夏休みに忙しさに戸惑っています。


日本の子どもたちの夏休みといえば、、、

私立学校では夏期講習、毎日のようにある部活動、たくさんの夏休みの宿題。。。

保護者は仕事でいないので、うちで一人で過ごす夏休み。

本当に忙しいと思います。



その反面フィンランドの子どもたちの夏休みは、ほぼ自由でした。

家族がサマーコテージで過ごすから、それに数週間ついていくというもの。

友達と遊び歩くもの。スポーツのトレーニングをするもの。

夏休みの宿題もなく、夏期講習もなく、塾もない夏休み。

日本の子どもたちからしたら天国でしょう。



こんな子どもたちが、PISAで学力比較をされてしまう。

そして、学力比較するとそんなに変わらない結果が出る。

何が人にとって幸せなんだろうと考えてしまします。

国際競争力、GDPなどと比較をされてします。

全く違う価値観で生活している人たちが経済の指標により比較される。

そして、その上ではそんなに大差はつかない。

もちろん発展途上の国々では、経済指標でも、実際の生活でも大きく違いが現れますが、

発展してしまった国では、自分の時間を削って頑張ってもあまり変わらないというのが

私の感じていることです。

フィンランドが日本よりもPISAで上位にいましたしね。


80というある程度までは、頑張った量に比例して成長しますが、

のこりの20を伸ばすためにはそれ以上の努力を重ねなくてはならないというのは、

勉強でもよく起こります。

40点を80点にするよりも、90点を100点にするほうが大変ですよね。


これは今の日本に起こっていることでも同じで、

80まで頑張って生命の危機が少ない生活を獲得していますが、

あとの20はとても改善が難しく、時間対効果が合わない努力を

重ねてしまうだけのように感じます。

しかし、今の日本はその20を伸ばしていこうと、まだ必死にやって、

自殺者や人間関係の希薄化、伝統文化の消失など様々な問題を抱えています。

今後も残りの20を伸ばして100を目指していくのか、

それではなく20を目指すことにより忘れてしまわれている

フィンランド人のような幸福を求めるのか、

自分で価値観を選択することが求められている気がします。

2013年7月16日火曜日

iPadを学校現場で使うことへの可能性

1ヶ月間、iPadを10台学校で借りて、授業、課外活動で使用した。

数ヶ月間、色々な人の助けを借りて働きかけてきた結果である。



私が使い方の企画書に書いたのは、以下の4つである。

①修学旅行の保護者向け説明会でのプレゼンテーション

②修学旅行中の記録

③授業での活用

④部活動での活用



iPadについては、すでに数多くの学校で活用事例が上がっている。

これからの教育に無くてはならないものだと個人的には確信している。

だからこそ、この試用期間はとても貴重だった。



まず①プレゼンテーションについて、

生徒たちにはkeynoteを使って、プレゼンテーションをする課題を出した。

インターネットから情報を調べ、画像を参照し、それを発表にまとめる。

今までiPadを使ったことのない生徒には、

クラスに数人いる家で使ったことのある生徒が教えてあげていた。

少し教わると、初めての生徒も自身を持って使えるようになった。

調べることから、発表することへが凄くスムーズに流れた気がした。


②修学旅行中は、生徒が写真と画像をとった。

北海道での第1次産業体験。その様子を写真や動画で記録し、imovieで編集した。

これは修学旅行の振り返り、そして保護者への報告の素晴らしい映像となった。

imovieの使い方も少しレクチャーをすると、あとは勝手に使いこなしていた。

こんなすごいものが自分で作れるんだと、自信がついたに違いない。


③授業での活用は、班での調べ学習に活用した。

4人組で一つのiPadの画面を覗き込みながら、コミュニケーションをとる様子から、

個人活動だけではなく、コミュニケーションが苦手な生徒を

助けるツールとなることも感じた。

本は大切な調べ学習のツールであるが、

iPadも本と同じ、一つのツールであると確信出来た。


④部活動での活用は、動画をスローで再生して、手書きできる

coach's eyeというアプリを活用した。

一番驚いたのは、私が全く予期しなかった年配の先生が

これにハマって活用してくださったことだった。

ゴルフのフォームチェックで今まで伝えれなかったことを伝えられたようだ。


世の中には、色々な考えの人がいる。

今までそれが無くでも出来ていたのだから、使う必要がないという人もいる。

私は、便利な道具はどんどんと使えばいいと思う。

便利な道具を使って、今までのことが簡単に、より深く出来るのならば、

それを使わない手はない。

もちろん、リスクを考えて、使うことに二の足を踏むことも理解できる。

でも、私たちは常に勉強、成長して行かなければならない。

この道具を使うことで、新しい可能性が開けるのならば、やってみるべきである。



2013年3月7日木曜日

佐藤学先生と学び合いの授業


先日、佐藤学さんのお話を聞く機会を頂いた。

佐藤学さんとは、学校改革の視点として「学びの共同体」づくりを

提唱されている学習院大教授です。

毎年100校程度の学校訪問、研究授業への参加をされている先生です。

今まで本で生徒同士が主体的に学び合う授業を研究し、

自分でも実施してきたが、新しく気付かされることばかりだったので、

ここでも共有させていただきます。

●学び合いのポイント
 教室において、生徒一人残らず学びを保証する。
 生徒同士がつながり、安心して学ぶ関係を作る。

●学び合いは話し合いではない。
 グループ内でコミュニケーションがなくてもよい。
 学びの基本は独りでするもの。
 分からなくなった時に、人に聞ければばよい。
 つぶやきを聞いて、他人が学べばよい。


●盛り上がるグループは心配。学び合いが行われない。
 話し合いとはすでに分かったことを言い合うこと。
 話し合いではなく、聞き合い、つぶやきを自然に聞く関係。
 伸びる子は良くきく子。
 細やかさや繊細さを育てる必要がある。
 授業の中では、どうやったら気付きあえるか、
 つぶやきを生むにはどうしたらいいのかを考える。


●テンションが高いと、深い学びまでいかない。先生の声のトーンを落とすこと。


●分からない子とは周りとのつながりを失った子供。
 一人のままでは理解できない。まずつながりが必要。
 教師がつなぐ必要がある。意図的につなぐ。
 一人も一人にしないように。


●自力解決(自分だけで答えを出すこと)にこだわるのは日本、韓国、中国のみ。
 先生はなぜ自力解決にこだわるのか?
  ①自分で考える習慣を付けたい。
   →別に、まず写すことから初めても良いのではないか?
  ②まず自分の考えを持ったほうが話しやすい。
   →出来る子はすぐにやってしまい。他の考え方への柔軟性がなくなる。
    出来ない子は固まるだけ。
    よく考えて分かった子はいないという事実に気づくべき。
    この時間がもったいない。ジャンプの課題(発展問題)を
    する時間にしたほうがいい。
    (出来ない子ほど難しいジャンプの課題が好きで取り組む。)


●授業の最初の10分は黄金の時間。
 この時間を自力解決にすると、ここで出来ない生徒は潰れて、
 残りの40分何もできない。
 グループにしておいて、個人解決をさせて、分からなかったら隣に聞いて良いと
 言っておけば、出来ない子が固まらない。


●学び合いだけでは学力は伸びない。
 ジャンプの課題。課題を高いレベルに設定する必要がある。


●男女の関わり方。
 学び合いでは、同意は同性へ求める、疑問は班全体へ求める。
 そのため、男女を交互に席を配置する必要がある。
 1年生から男女の関係がしっかりとしていると、学校が安定する。
 女子の関係には注意すること。生理的に嫌いという状況を作るとどうしようもない。

●男は分からなくなるとうるさくなる。女は分からなくなると静かになる。
 女子を指名した方がいい。女子を表に出していくことで、
 女子と男子がうまく関係を築く事ができる。


●まとめて発表するようにすると、まとめる方にばかり意識がいって、
 学びが深まらない。
 (発表用のボードなどは直前に渡すと良い。)
 グループで学びあったということは、その後は誰でも発表出来る状態である。
 グループで学びあったあとは、指名して、答えさせる。(他人の意見を言ってもいい)


●学び合いを一斉学習に持ち込むから、時間が足りなくなる。
 学び合いを中心にすれば、時間は足りる。

2013年2月15日金曜日

ノーベル平和賞受賞者ムハマド・ユヌス氏講演


モハメド・ユヌス氏の講演をお聞きする機会に恵まれた。

ユヌス氏は、バングラデシュのグラミン銀行の創始者であり、

マイクロクレジット(貧困者向けの少額の無担保融資)による

貧困問題への貢献で2006年にノーベル平和賞を受賞された方です。

 現在はソーシャルビジネスという、自らの利益を追求するのではなく、

利他の心で社会の問題を解決するためのビジネスをモデルにして、

世界中に広めるため活動をされています。



講演では、最初にユヌス氏が行ってきたことを簡単にお話されました。

今では有名になったマイクロクレジット(貧困者向けの少額の無担保融資)ですが、

始まりは小さな村からユヌス氏が個人的に始められたこと。

貧困問題という、とてつもなく大きな社会問題だろうと、

自分で解決できるとお考えになったことがきっかけだったこと。

ユヌス氏が作られたグラミン銀行は、従来の銀行と反対のこと
(今まで融資を受けれなかった貧しい人に、女性に、担保も必要なしに融資すること)

をしてきたということ。

そして、融資をした人たちにお金と共に、子供に教育を受けさせることなどをお願いし、

自らの力で貧困から抜け出す手助けとなっていること。



講演の最後に語られた、ユヌス氏からのメッセージは、

とても分かりやすく力強いものでした。

「君たちは若い。若いということは、想像力があるという強みがあります。

技術はいつもSF(サイエンスフィクション)に従って、発展してきました。

次は、どういう社会をつくりたいか(ソーシャルフィクション)を考えてください。

例えば、貧困がない、失業者がいない、病気で苦しむ人がいない世界を作りたいと

想像してください。

その社会に向けての問題を、自分がどうやって解決できるか考えてください。

私はそれをビジネスにすることを考えます。それが、ソーシャルビジネスです。

どういう社会を作りたいのか。

ソーシャルビジネスは、社会の問題を解決するためのビジネスなのです。

想像力が本当の力です。今存在していないものを考えて下さい。

問題が見つかったら、グラミン銀行のように、普通とは逆の解決方法を考えてみてください。

自分がそのことについて何も知らないと諦めないで。

想像力を使って、世界を変えてください。

これまでの社会ではお金を得ることが幸せ(Happy)でした。

しかし、他の人を助けることは、それを超える幸せ(Super Happy)なのです。

他の人を幸せにすることは中毒になります。ぜひ、行動してみてください。」




現在の利己の心が中心の資本主義社会に対して、

人間のもつ利他の心を信じてみたいと本気で考えられているユヌス氏。

われわれ人間はどのように生きていくのかを考えさせられた講演でした。

でも、想像力を生かして行動しないとね!